工業簿記

工業簿記の仕訳

工業簿記の仕訳は「材料」・「労務費」・「経費」の3つの勘定科目から始まります。それぞれについて、直接費は「仕掛品」勘定に、間接費は「製造間接費」勘定に振り替えます。

例)材料の仕入れと消費

仕入れ  (借方)  材料          100   (貸方)  買掛金 100

消費    (借方)  仕掛品        80       (貸方)    材料 100

                            製造間接費  20

このように、工業簿記では「仕掛品」や「製造間接費」のように、商業簿記では使用しなかった勘定科目を使います。また、仕訳のルールも商業簿記の「資産の増加は借方」、「負債の増加は貸方」などとは異なる工業簿記独自の方法(流れ)があります。

「工業簿記」と簿記検定

「工業簿記」・「原価計算」科目が含まれている簿記検定試験は、

日商簿記:2級、1級

全経簿記:1級、上級

全産能連簿記:2級、1級

などです。

「工業簿記」、「原価計算」、「工業簿記」と「原価計算」の両方が含まれているもの等がありますが、これらの2つ科目にはあまり違いはありません。

例えば、日商簿記2級の試験科目は「商業簿記」と「工業簿記」で、「原価計算」はありませんが、「工業簿記」の範囲の大半は「原価計算」です。

また、どの検定試験にも共通していることは、比較的上位の級に含まれているということです。

これは、工業簿記が基本的な簿記である商業簿記に対して、応用簿記(特殊な簿記)であるからです。

そのため、日商などの簿記検定の受験者には、工業簿記を苦手としている人も多くいるようです。

しかし、工業簿記も商業簿記と同じ簿記なので、基本的なことは同じです。

原価計算の手順

原価計算は3段階で進めていきます。

第1段階【費目別原価計算】

  • 材料費の計算
  • 労務費の計算
  • 経費の計算

第2段階【部門別原価計算】

部門(工程)ごとに原価を計算する

第3段階【製品別原価計算】

最終的な製品の製造原価を計算する

生産形態によって、

個別原価計算:注文生産用

総合原価計算:大量生産用

※この段階は、実際原価計算・標準原価計算それぞれにあります。

工業簿記と原価計算

工業簿記では、当ブログでもこれまで解説してきた「製造原価」の計算が中心になります。「製造原価」を計算するための一連の手続きを「原価計算」といいます。

●原価計算の会計期間

工業簿記の会計期間も商業簿記と同様の1年です。しかし、工業簿記の原価計算にはこの他に「原価計算期間」があります。原価計算期間は毎月1日から月末までの1ヶ月です。

●原価計算の種類

原価計算は実際原価計算標準原価計算の2つに大別されます。

実際原価計算

実際にかかった原価を用いて製造原価の計算を行う方法。

標準原価計算

あらかじめ製品1単位あたりの原価を予定しておき(標準原価)、この標準原価を用いて製造原価の計算を行い、あとで実際の原価と比較して、「差異」を求める方法。

直接費と間接費

製造原価の分類には、前回の記事の「材料費」・「労務費」・「経費」の他に、「直接費」と「間接費」という分類の仕方もあります。

直接費:どの製品に使用したのかがわかるもの

間接費:どの製品に使用したのかがわからないもの(複数の製品にまたがって使用したもの)

●まとめ

製造原価の分類には、

直接材料費・間接材料費

直接労務費・間接労務費

直接経費・間接経費

があり、

間接材料費・間接労務費・間接経費の3つの間接費をまとめて、「製造間接費」といいます。

工業簿記と製造原価

工業簿記とは

工業簿記も商業簿記と同じ簿記なので、仕訳や決算などの仕組みは基本的に同じです。

工業簿記は「製造業」(メーカー)のための簿記です。製造業では材料を仕入、それを加工して、できあがった製品を販売します。そこで、工業簿記ではつくるためにいくらかかったのかを記録する必要があります。製品をつくるためにかかった金額を「製造原価」といいます。

製造原価の分類

「製造原価」は、「材料費」・「労務費」・「経費」の3つに分類されます。

材料費:製品を製造するために使うモノ(材料)にかかるお金

労務費:ヒト(労働力)にかかるお金

例)従業員に支払う賃金 など

経費:材料費、労務費以外すべて

例)修繕費、通信費、減価償却費 など